国鉄時代から引き続き冷房化改造を行ってきたが、従来のAU75形では交代の補強も踏まえて1両あたり2000万円から3000万円の費用と2ヶ月から3ヶ月の時間を要するという問題があった。そこでJR九州が1987年度から18000kcal/h×2の床置きタイプのAU2X形を開発し、従来よりも三分の一の費用・工期で出来るようになり、早期の冷房化率100%を達成している。しかし乗客の多い通勤形電車の場合必要な冷房能力が240%乗車時に30%の人が快適に感じるには42000kcal/hであることからこれらを考慮してJR東日本では同年の9月にサハ103-128の屋根上両端に1基ずつ取り付ける分散冷房装置日立FTUR-300-102形を試作した。1988年度から同様の屋根上配置のAU712形冷房装置(冷房能力21000kcal/h×2)を開発して冷房化を進めていった。当初冷房用電源はモハ102形に搭載されるMGによったが、同年下期から屋根上にSC24形補助電源装置(SIV)を取り付け、他車から電源供給が無くても冷房が使えるようになった。その結果冷房用の引通線を車体に設けておらずAU75形と連結した時にAU712形冷房改造車を跨いでの電源供給が出来ず、一部編成でAU75形の冷房を装備しているにも関わらず作動しない車両もあった。2005年にモハ103-185+モハ102-340の廃車で営業運転から撤退した。

次へ

戻る

TOP